今年の1月24日に介護報酬改定が行われ、2024年4月以降では、訪問介護報酬の減算が決定しました。理由は、一言でいうと、「訪問介護事業者は儲かっているから」というもの。
しかし、これは本当に適切に訪問介護事業者の経営状況を反映しているのかと言えば、はなはだ疑問が残る決定と考えます。私はこの先月24日の決定を受けてから本投稿をする今日まで、訪問介護事業現場を複数箇所直接訪問し、経営者や管理者の方々から、丁寧にヒアリングをしてきました。以降、ブログを3-4回に分けて、私の考えを書いていきます。
現状でヘルパーの不足はどのくらいか
まず、第2回以降の本題に入る前に、よく言われるヘルパー数の現状について確認です。これは、令和3年に厚生労働省が公開した資料です。
これによると、昨年段階で既に約22万人のヘルパー不足、そして、来年2025年には約32万人、2040年約69万人の介護職員が必要との試算です。つまり、毎年、約5万人以上の介護職員を確保しなければならない状況といえます。
そして、中でも、特にヘルパー不足とされているのが、実は訪問介護事業所のヘルパーなのです。
2022年度の厚生労働省の資料によると、施設介護事業者の有効求人倍率は3.79倍であるのに対し、訪問介護事業者の場合は、15.53倍という、約4倍もの開きがあります。
さらにヘルパーの高齢化
また、2021年8月介護労働安定センター資料によると、訪問介護のヘルパ-4人に1人が65歳以上という現状とされています。言わば、訪問介護事業者については、すでに「老々介護」状態になっている現実があります。それがヘルパー確保に向けた、今後のさらなる不安材料となっています。
よって、今回の減額が訪問介護ヘルパー不足に一層の拍車をかけ、厚労省の不足ヘルパー人員予測をより深刻なものにしかねない改定となる可能性も否めません。
次回からは、現場ヒアリングの情報も踏まえて、訪問介護事業者への減額が不適切である理由を考えていきたいと思います。
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