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逆介護保険実践の場

執筆者の写真: そえだ勝そえだ勝

更新日:2022年4月1日

先日、地域密着型 あしすとデイサービスの成果発表会に行ってきました。 こちらは省スペースのなか、食事や入浴はないものの、空間を上手に使いリハビリ器具をフル活用し、利用者の状態回復を見事に実践しておられました。 しかし、開設当初は、「デイサービスの3大機能とされる食事、入浴、機能訓練の一つしか果たしていない」との声も多々あり、自信を無くした時期もあったとのことでした。しかし、機能訓練で抜群の成果を出し、そうした声もいつしか吹き飛んだようです。 一例をあげれば、利用者の女性が病院から退院後、体重50kくらいにまで減ってしまったが、筋力トレーニングに注力した結果、3か月後に本来の体重である60k近くまで改善させた実績もあります。他にも多数の要介護度やADL(日常生活動作)改善に成功した実績があります。


また、ここは「地域とのつながり」も大切にしていて、今回もその一例ですが、「地域への活動報告」「幼稚園から大学生までからめた利用者との多世代交流」「クリスマスの時期には利用者をサンタさんになってもらい、子供にも喜ばれる機会」等々、一見、どこでもやってそうなメニューに見えますが、その徹底ぶりに感心しました。 例えば、サンタさんに扮してもらうだけならばどこでもやっていそうですが、そこに地域の子供たちを招いて、子供へのプレゼンターになるストーリー性を持たせることで、気力のなかった男性が一気に主役に躍り出ることになり元気になっていく、というようにイベント一つ一つにも様々な工夫がありました。 以上より、江戸川区のあしすとデイサービスさんには、「機能回復」「本人の出番と役割」「地域を大切にする姿勢」という「三つの無形の価値」が存在すると感じました。こうしたよい事例は川崎のデイサービスさんにもどんどん情報発信をしていきたいと思います。 とはいえ、機能回復等に注力し成果を出しているものの、やはり、経営者の方が「要介護度改善に頑張っているからこそ、経営が厳しくなる」という現状の介護保険の矛盾についても、言及されておられました。よって、今回の視察は学び多き時間ではあったものの、改めて、逆介護保険を川崎のみならず、全国に発信して、最終的には介護保険法改正に結び付けていく使命を感じさせられた機会ともなりました。

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