先日の続きです。
千葉市のような取り組みこそが、まさに「老々介護の社会化」であり、これからの日本には不可欠な「地域の元気高齢者が虚弱高齢者を支える社会」といえます。

うちのばあちゃんも、亡くなる1年前まで、家事や庭仕事はもちろん、地元の道普請(みちぶしん=地方で地元の草刈り等を住民が自ら行うこと)などをこなしてました。
昔の日本は大勢で高齢者を支えた「胴上げ型社会」。今は3人で1人を支える「騎馬戦型社会」。そして、今後は1人で1人を支える「肩車型社会」になります。
だからこそ、元気高齢者には、支える側になって頂かないと、この国は持たないのです。
さらに、社会保障費が膨張する中、その負担を現役世代のみに押し付けるのではなく、高齢者自身も間接的に負担させている点も注目です。この手法は反発を招きにくいやり方といえます。
例えば、社会保障費の膨張に対して、単に高齢者へより多くのお金を負担させるだけならば、反発は必至です。
しかし、この手法は「有償ボランティア」という形をうまく活用しています。高齢者は「ボランティア活動で社会貢献意識が醸成」され、そして、多くはないけれども、「介護保険料軽減」という対価を手にできます。
一方、行政にとっては、あえて言葉を選ばずに言いますが、「安価に介護現場の人手不足を補う一助」を獲得することになります。時給100円という格安な労働力の獲得です。
また、高齢者の側も安い対価だからこそ、プレッシャーなく無理せず働ことができます。まさに、ウィンウィンの関係が気づかれた興味深い取り組みと感じます。
こうした取り組みは、千葉市は介護保険料のみに反映させていますが、これを年金や医療保険料等にも拡大させる価値はあると思います。
介護保険料は自治体自ら設定することができるものなのですが、年金や医療保険は国マターの話ですので、今後の法改正に向けて、私も私の立場から声を上げていきたいと思います。
これからの時代、単に保険料金の引き上げという選択だけではなくするべきです。つまり、「金を出す」のみならず、「善意と汗を出す」という高齢者負担の選択肢があっても良いと思います。
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